
| 「天災は忘れたころにやってくる」と言われますが、 |
| 今回は、万が一のことに備えて欲しいとの思いから、 |
| 火災と生活再建についてお話しします。 |
| ■失火責任とは? |
| 火災が起きた場合、火元になった人はすべての損害を賠 |
| 償しなければならない、と思われがちですが、日本では |
| 失火責任法(失火ノ責任ニ関スル法律)という特別な法 |
| 律があります。 |
| この法律により、軽過失の失火の場合、 |
| →原則として、延焼先への損害賠償責任は負わない |
| と定められています。 |
| つまり、日常生活の中で通常の注意をしていたにもかか |
| わらず起きた火災であれば、延焼によって他人の建物を |
| 焼いてしまっても、賠償責任を問われないのが原則で |
| す。 |
| ■責任が免除されないケース |
| すべての失火が免責されるわけではありません。 |
| 次の場合は、注意が必要です。 |
| ①重過失がある場合 |
| 次のようなケースでは「重過失」と判断され、損害賠償 |
| 責任を負う可能性があります。 |
| ・寝たばこ |
| ・てんぷら油を加熱したまま長時間放置 |
| ・著しく老朽化した電気配線を放置 |
| ・危険と認識しながら火気を使用 |
| ※ほとんど故意に近い不注意があると、免責されませ |
| ん。 |
| ②故意の場合 |
| 当然ながら、放火など故意による火災は、全損害につい |
| て賠償責任を負います。 |
| ■自分の建物・家財は誰が補償する? |
| ・失火責任法は、他人への賠償責任を制限する法律、 |
| 自分の建物・家財は守ってくれません。 |
| そのため、 |
| ・自宅が全焼した場合、延焼により隣家から被害を受け |
| た場合、いずれも、自分の損害は原則として自己負担と |
| なります。 |
| だからこそ、火災保険の役割が非常に重要になります。 |
| ■火災後の「生活再建」という視点 |
| 火災は、建物や家財を失うだけでなく、 |
| ・住まいの喪失 |
| ・仕事・営業の中断 |
| ・近隣との関係不安 |
| ・将来設計の見直し |
| など、生活そのものを一変させる出来事です。 |
| 特に、持ち家で住宅兼店舗の場合や個人事業主の方にと |
| っては、 |
| ・住む場所 |
| ・働く場所 |
| ・収入の再建 |
| を同時に考えなければならず、精神的負担も大きくなり |
| ます。 |
| 法律上の責任の有無だけでなく、 |
| ・当面の住まいの確保 |
| ・公的支援制度の活用 |
| ・保険・給付・融資の整理 |
| ・今後の暮らし方・働き方の再設計 |
| といった、「生活再建の視点」での支援が不可欠です。 |
| 失火責任を正しく知ることは、「誰が悪いか」を決める |
| ためではなく、被災後に前を向いて再出発するための |
| 土台になります。 |
| ここまで、お読みいただきありがとうございました。 |
| 少しでも参考として頂ければ幸いです。 |
| ■参考:全焼時の生活再建フロー |
