辻󠄀終活FP事務所

50代からのライフプランと終活のご相談を専門にサポートする山形県新庄市の事務所です。


【第15回】火災と生活再建


「天災は忘れたころにやってくる」と言われますが、
今回は、万が一のことに備えて欲しいとの思いから
火災と生活再建についてお話しします。
失火責任とは?
火災が起きた場合、火元になった人はすべての損害を賠
償しなければならない、と思われがちですが、日本では
失火責任法(失火ノ責任ニ関スル法律)という特別な法
律があります。
この法律により、軽過失の失火の場合、
 →原則として、延焼先への損害賠償責任は負わない
と定められています。
つまり、日常生活の中で通常の注意をしていたにもかか
わらず起きた火災であれば、延焼によって他人の建物を
焼いてしまっても、賠償責任を問われないのが原則で
す。
責任が免除されないケース
すべての失火が免責されるわけでありません。
次の場合は、注意が必要です。
①重過失がある場合
次のようなケースでは「重過失」と判断され、損害賠償
責任を負う可能性があります。
・寝たばこ
・てんぷら油を加熱したまま長時間放置
・著しく老朽化した電気配線を放置
・危険と認識しながら火気を使用
※ほとんど故意に近い不注意があると、免責されませ
ん。
②故意の場合
当然ながら、放火など故意による火災は、全損害につい
て賠償責任を負います。
自分の建物・家財は誰が補償する?
・失火責任法は、他人への賠償責任を制限する法律
 自分の建物・家財は守ってくれません
そのため、
・自宅が全焼した場合、延焼により隣家から被害を受け
た場合いずれも、自分の損害は原則として自己負担
なります。
だからこそ、火災保険の役割が非常に重要になります。
■火災後の「生活再建」という視点
火災は、建物や家財を失うだけでなく、
・住まいの喪失
・仕事・営業の中断
・近隣との関係不安
・将来設計の見直し
など、生活そのものを一変させる出来事です。
特に、持ち家で住宅兼店舗の場合や個人事業主の方にと
っては、
・住む場所
・働く場所
・収入の再建
を同時に考えなければならず、精神的負担も大きくなり
ます。
法律上の責任の有無だけでなく、
・当面の住まいの確保
・公的支援制度の活用
・保険・給付・融資の整理
・今後の暮らし方・働き方の再設計
といった、「生活再建の視点」での支援が不可欠です。
失火責任を正しく知ることは、「誰が悪いか」を決める
ためではなく、被災後に前を向いて再出発するための
土台になります。
ここまで、お読みいただきありがとうございました。
少しでも参考として頂ければ幸いです。
■参考:全焼時の生活再建フロー


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